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2023年6月21日10:43 PM [ヤングケアラー]
【子ども介護者】
ヤングケアラーの現実と社会の壁
「自分はラッキーな生き残りだと思う」
本書の一節に深くうなずいた。
自分も同じだと思う。
ヤングケアラー(子ども介護者)の抱える問題、
当事者の語り、研究者からの観点、相違と合致、経験から得る能力。
平たく言うなれば、
「どんな経験も人の人生を深める」
ヤングケアラーという言葉が流布される様になって、私は元当事者として救われたと感じた反面、複雑な気持ちにもなりました。
10人いれば10通りのケースがあり、それは多様中の多様であるし、共感出来る事もあれば、上には上、下には下、横には横と無限に比較対象が出来てしまう。
「私のケースはそんなに酷くないから話す程に値しないのかも知れない」と考える事もありました。
救われたと思えたのは、しんどかった子ども時代に名前がついた事で市民権を得た様な気持ちになれたのも確かな気持ちでした。
自分しか知り得ない感情や経験を言語化する事で、私は子供の頃の自分に手を繋いでやれる気がするのです。
孤独でしんどかった自分を救ってやれるのは、「ヤングケアラー」という名前でも何でもなくて、「幸せに生きている今の私」であると分かっている。
つい最近、これにも名前がある事を知りました。
「自助論」サミュエル・スマイルズ
天は自ら助くるものを助く(自分で自分を幸せにする)
努力こそが成功への道であり、最良の援助者は誰でもなく自分である。差し伸べられた外部からの援助の手はかえって自立を妨げ、その必要性を忘れさせる。
どんな優れた制度も人を変える事は出来ない。人には自分で学び、自己を律していく自助の精神が必要であると書かれていました。
私はヤングケアラーだった過去を、今となっては全く悲観していません。
その経験が、今の私を作り出し唯一無二の存在にしてくれたとすらも感じています 。
でもね。
「感謝してる」なんて綺麗事は言わない。
そんな一言で済まされない事がたくさんあったし、まだその次元まで到達出来ていないけれど、常に今を真っ直ぐに生きようとしてきた自分を讃えてあげたいと思っています。
それが私のヤングケアラー。
C o n t a c t